甲状腺中毒症(バセドウ病)

甲状腺機能亢進症とは

甲状腺機能亢進症とは甲状腺は、のどぼとけの下にあり、左右に羽を広げた蝶々のような形をした臓器です。新陳代謝を活発にする甲状腺ホルモンを分泌し、神経や活動の調整をする働きもあります。こうした重要な役割を担っているため、甲状腺に異常があるとさまざまな不調が現れます。
甲状腺機能亢進症は血液に含まれる甲状腺ホルモンの量が多い状態で、代表的な病気にバセドウ病があります。病気により適切な治療が異なりますので、専門医で診断を受けることが重要です。

バセドウ病について

バセドウ氏病、グレーブス病と呼ばれることもあります。バセドウ病は若い女性に多く、国内の患者数は数万人いるとされています。
甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで全身の新陳代謝が早くなり、動悸や震えをはじめとするさまざまな症状が現れます。適切な治療を受ければこうした症状は解消します。放置していると重症化し、心臓への負担が大きくなり危険ですから、できるだけ早く適切な治療を受けてください。

バセドウ病の原因

自己免疫疾患が原因となって起こっていると考えられています。甲状腺ホルモンの分泌を促す物質に似たTSHレセプター抗体が甲状腺に刺激を与え続けることで、甲状腺ホルモンが必要以上に作られ、分泌している状態になります。

バセドウ病の症状

  • 安静にしていても動悸がある(心臓がドキドキする)
  • 手が震える、細かい文字が書きにくい、箸の扱いが難しい
  • 多汗、汗の量が多い
  • 暑がりになった、微熱がある
  • 体に力が入らない
  • 疲れやすくなった、すぐ疲れてしまう
  • 下痢になりやすい
  • 体重が減る
  • どんなに食べても太らない
  • イライラしやすい、眠れない
  • 落ち着きがなくなった
  • 首が腫れてきた
  • 目が出てきた、眼球が飛び出て見える
  • 目がギラギラしている
  • 目つきが変わってきた。
  • 無月経、生理がなくなった
  • 月経不順
  • 不妊

バセドウ病の検査と診断

血液検査、心電図検査、そして甲状腺超音波検査を行って診断します。
甲状腺ホルモンのFT4、FT3が高く、TSHが低い、TRAb陽性、甲状腺の血流増加、甲状腺の腫れなど、検査結果をもとに診断します。

バセドウ病の治療

甲状腺ホルモンを抑える薬を使う薬物療法、放射性ヨードを使用するアイソトープ治療、甲状腺の一部残して切除する手術があります。

薬物療法

適しているのは、軽症の方、甲状腺の腫れが小さい方、妊娠されている方です。薬を飲むだけですから手軽ですが、長期間の服用が必要です。まれにとても重い副作用が出る可能性があるため、頻繁に通院する必要があります。主に使われているのは、メルカゾールとチウラジールです。

メルカゾール

甲状腺ホルモンを抑える抗甲状腺薬で、もっともよく使われている薬です。甲状腺ペルオキシダーゼという酵素の働きを妨げて甲状腺ホルモンT3、T4の合成を抑制します。治療開始時には多めに服用して甲状腺機能の安定をはかり、機能亢進症がほぼ消失したら少しずつ減らしていきます。その後、低用量の薬を服用し続ける維持療法を続けて再発を予防します。

チウラジール

メルカゾールの副作用が強い場合や、妊娠している場合に使われる場合があります。甲状腺ペルオキシダーゼという酵素の働きを妨げて甲状腺ホルモンT3、T4の合成を抑制するメルカゾールと同様の働きに加え、T4からT3への変換も抑制します。治療開始時には多めに服用し、少しずつ減らして、その後維持療法を続けるといった治療方針もメルカゾールと同様です。

薬物療法の副作用

注意が必要な副作用に白血球減少症や顆粒球減少症があります。これは1000人に2~3人程度の頻度で起こるまれな副作用ですが、白血球や顆粒球の数が減少してしまい、放置すると危険な状態になります。服用中にのどの痛み、発熱、倦怠感などがあったらすぐに主治医へ連絡してください。
よくある副作用としては、かゆみやじんましんなどの皮膚過敏症があります。これは10人に1人程度の頻度で発生しますが、かゆみ止めなどの服用で解消できます。他に、報告された副作用として肝機能障害、黄疸、発熱・紅斑・筋肉痛・リンパ腫脹・脾腫などのSLE様症状、インスリン自己免疫性症候群による低血糖などもありますが、かなりまれにしか起こっていません。

アイソトープ治療

適しているのは、薬物療法で効果が得られない方、薬の副作用が強い方、手術後に再発した方、心臓や肝臓の疾患がある方、そして短期間で症状を解消したい方です。通院治療が可能であり、薬物療法に比べて短期間の治療が可能です。
アイソトープ治療は、放射性ヨードを使う治療です。アイソトープ治療の先進国であるアメリカで長期間のデータ分析が行われ、アイソトープ治療ががんや白血病などを誘発する心配がないことが実証されており、若い女性がアイソトープ治療を受けても将来の出産に悪影響を及ぼすことはありません。ただし、妊娠している方やその可能性がある方、授乳中の方は受けることができません。
効果に個人差があり、アイソトープ治療を受けたことで将来、甲状腺機能低下症になる方が多いため、治療後も定期的に受診して検査を受ける必要があります。

手術

適しているのは、甲状腺の腫れが大きい方、薬物療法で効果が得られない方、薬の副作用が強い方、そして短期間で症状を解消したい方です。甲状腺を一部残して切除する手法が一般的に行われており、手術後は8割以上が薬を飲まないでいい状態を保てるとされています。確実に治療でき、短期間で治ることが大きなメリットですが入院が必要です。また、のど元付近に傷跡が残りますが、間近でみてもわからない程度にできる医療機関もあります。手術を検討される場合には手術成績や手術の後遺症、術後の甲状腺機能、そして傷跡なども含めてご相談を受け、信頼できる医療機関をご紹介しています。

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